NTTデータは、三菱電機と協力し、センサーデータを収集する自律移動ゴミ箱ロボット(Autonomous Mobile Robot:以下、AMR)を使用して、AIによる自動空調制御と連携する施設マネジメントの実証実験を実施しました。
空間IDを用いた自律移動ロボットによる移動センシングとAI空調制御の協調型施設マネジメントの実証を実施
https://www.nttdata.com/global/ja/news/services_info/2023/012700/
実証実験では、NTTデータ品川ビルの2階エントランスフロアで、温湿度センサーを搭載した三菱電機のゴミ箱AMRが自律移動し、移動中に温湿度のデータと時刻を収集しました。
このデータは「空間ID※」に関連付けられ、その後「空間ID基盤システム」に連携させることで、温湿度の情報と時刻を別のシステムに応用することができるようになります。
※「空間ID」とは、3次元空間を細かく分割した空間ボクセルに、静的・動的な情報を関連付けるための一意の参照点を指します。このボクセルは、3次元の格子で、通常の2次元ピクセル(XとYの寸法)に加えて高さ(Zの寸法)を考慮した立方体のような単位で、3次元空間を表現します。
ゴミ箱AMRは、施設美化だけでなく、AIを使用した最適な空調制御にも活用されます。
実証実験では、場所が固定されていないゴミ箱AMRが施設を清潔に保ちながら、収集された温湿度データと時刻情報は、さらに来館者数や外気温、空調運転状況などの情報と連携させ、AIを使用した空調制御のシナリオを算出、消費エネルギーを最小限に抑えつつ、快適な空調制御が行われました。
3次元空間を判読可能な方法で分割した「空間ID」を使用して、データ連携とアプリケーション開発を促進し、今後さらに多くのAMRが施設データを収集し、施設管理に貢献する協調型のユースケースが増えることが期待されます。このことでデータ収集のコストが低減し、データを活用したサービスの拡大と利用コストの低減が実現できるでしょう。
この実証実験は、3次元空間を分割する空間IDを活用し、AMRが施設データを利用して協調型のデータ収集に貢献する可能性を探るものであり、データ収集のコストと手間を軽減し、データを活用した新たなサービスの拡充に寄与することが期待されています。
実証実験は「空間ID」をキーとして、3次元空間を分割し、静的・動的な情報を関連付ける新しい方法を採用しました。これにより、施設内のデータ連携とアプリケーション開発が促進され、データ収集のコストと手間が削減され、サービスの拡大が可能になりました。
NTTデータはデジタル庁からの調査研究を通じて、自律移動ロボット(AMR)がデジタルツインのデータ収集を担う可能性を検討しています。この実証実験はその一環で、今後AMRが施設管理におけるデータ収集に貢献するシナリオを広げ、デジタルツインの社会実装を促進し、社会的な課題に寄与することを目指しています。
デジタルツインは様々な情報を集約し、計画や連携、意思決定に活用することが重要であり、今のデータ収集の課題は特に屋内空間でのセンサー設置が限られており、コストと手間がかかることが挙げられます。このため、AMRを利用した移動センシングの仕組みが導入され、データ収集の効率が向上し、収集可能なエリアが拡大する可能性があります。
今後ますます増える自律移動ロボットがデータ収集に貢献する可能性を示すもので、NTTデータは4Dデジタル基盤の実現を目指して、さまざまなユースケースを推進し、社会課題の解決に貢献する取り組みを行っています。
空間IDを用いた自律移動ロボットによる移動センシングとAI空調制御の協調型施設マネジメントの実証を実施
https://www.nttdata.com/global/ja/news/services_info/2023/012700/